昨年から海でフライ釣りを始めた。

　昨年の正月を過ぎた頃から湯河原でのクライミングが続くようになったが、岩場からの帰路、漁村で見かける堤防では必ずと言っていいだろう多くの釣り人が糸を垂れる様を車中から眺めてきたが、あるとき、ふっと、何が釣れてるんだろうって興味がわいた。

　帰宅しネットで調べると、「カゴ釣りでメジナ」や「ルアーでメバル」という文字がヒット。

　餌釣りであるカゴ釣りには興味がわくことはなかったが、メバルは疑似餌で釣ることが主流らしく、だから食指がピクピクと反応した。メバル釣りは子供の頃、郷里下関でもやってきた。季節としてはポカポカと温かくなってから秋までが釣り期だったと記憶している。

　で、疑似餌でメバルを釣ること、メバリングというようだが、これに必要なルアー釣りの道具は、以前、峪でルアー釣りを試したこともあったことから揃っている。

　足らないのはジグヘッドと呼ばれるオモリと釣りバリが一体となったハリと小エビや棘皮動物、ザリガニを模したワームを買い求めればOK！

　で、土曜日の日中、クライミングを楽しんだ後、夕方から夜中にかけてメバリング・・・って、やってみたが、一匹も釣れなかった。一度もアタリはなく釣れる気がしなかった。

　で、子供の頃を思い返すと、昼間、磯でメバルやアブラメを釣ってきた。だから夜の堤防は諦めて、昼間のゴロタ場でやってみた。

　すると、メバルではなくムラソイがびっくりするほど沢山釣れた。大型のカサゴも時々釣れた、刺身サイズも多く上がり、伊豆の車中泊で、また我が家の食卓も楽しませてくれた。

　その時に、ふっと思ったことは、ワームで釣れるなら毛ばりでも釣れるんじゃあないかということ。で、せっせとマラブー系の大型フライを沢山巻いて出かけたところ、読みは的中し、ワームよりも好成績を挙げることとなった。

"昨年のゴロタ場ではこの大型マラブ―が大活躍した。"

　そんなゴロタでの毛ばり釣りが梅雨前まで続いた。梅雨頃ともなるとゴロタ場には海草が繁茂し、釣りにならないことで海の初釣りは幕となった。

　しかし、そもそも海釣りに興味を持ったのは、ムラソイやカサゴではなくメバルだったはず・・。

　春告げ魚の別名を持つメバル。

　雑誌、ネットで見ると「爆釣」とか「メガメバル」だとかって威勢のいい言葉で釣り欲をくすぐるが、結局、昨年は一匹も上がらなかった。

　月日は流れ、今年も正月を迎えた。

　昨秋に左膝を痛め１２月に入ってから内視鏡手術をした僕の膝は完治まで、まだまだ時間がかかるようだ。また、碓井さんはご自宅の都合により外遊びが出来ない状況にあって週末の一人遊びが続く。

　膝の具合、山歩きはまだまだ無理な状況。

　１月に入って「メバリング」が僕の頭の中に沸々と蘇ってきた。

　で、１月の９日に三崎港へ出かけた。この時は無難にワーム。ネット上で紹介されているメバル用のワームを各種揃えてやってみたが、一度もアタリがない。他の釣り人も釣れていない。完敗・・・。三崎港の朝市でアジの開きを買って帰ったことで家族は喜んだ。

　で、翌々週の週末、22日（金曜）の夜、伊豆は川奈港へ車を走らせた。

　この釣行ではメバルを意識し、フライを巻いた。主に小エビを意識し、６種類巻いてみた。

"気合いを入れて６種類のフライを６個ずつ巻いた。　全て小エビをモチーフ。　釣れた一匹は、下段右に出てくれた。"

　で、メバルが釣れた！！15cm程度の小さなメバルが一匹。

　川奈港の船着き場。ナトリウムランプが海面を照らす部分と岸壁が作る陰の境目というセオリーどおりのラインで出た。岸壁に平行にキャストし、ゆっくりとリトリーブ。白色のフライは視認しやすく、すぐそこまでフライが来たとき深場からゆっくりと黒い物体が上がってきた。見えていたフライが見えなくなったが、その黒い物体は走り始めるわけではなくじっとしているからアワセてみると掛かっていた。まさにサイトの釣りだった。

　一人ガッツポーズが出た。

　そのあと、時々、ライズしている音と波紋が少し沖目に広がるが、そこへキャストしても掛かることはなく、結局、この一匹で終わった。

　たった一匹のメバルだけど、凄くうれしかった。爆釣ではないし、メガメバルの孫だろう15cmだったが嬉しかった。なんとなく、わかった・・気がした。

　巻いた全てのフライには、沈ませることを意識し、レッドワイヤー（鉛の糸）を数回巻いたが、沈まないフライもあった方がいいようだ。フライを改良して、また来ようと思った。

　ちなみに、釣りあげたこのメバルはキープした。

　ストマックポンプを持ってこなかったからリリースはせずにキープした。

　帰宅し胃袋の中を見てみると小エビだろうか、イワシの幼魚だろうか、小さな目玉が複数個残った白いゼリー状のものが胃に残っていていたが、量的には少なかった。

　まだまだ食欲がないのだろうか。

　＜天候：晴れ＞

　＜釣行日：2016.01.23 単独、記載：2016.01.24＞