平成19年 納竿の儀 信越国境 秋山郷 中津川支流 栃川左俣と佐武流川

 峪釣りをはじめて3シーズン目が終わる。

 今年度の納竿釣行はお客様が一緒だ。ゲストは同人ルーデンスの池野明子さん。大阪から長距離バスに乗って駆けつけてくれた。立川に早朝到着し、我々と直ぐに合流。そのまま信越国境切明に向けて車を走らせた。

 越後湯沢インターから津南に向かい、途中、早くから開店しているスーパーで買い物を済ませる。また、入峪準備もここで済ませてから切明に向かう。10時少し過ぎにはヒュッテひだまりに辿りつくことができた。予想してたよりも早い到着となったことが嬉しい。

 直ぐに出発。林道を進み、栃川に掛かる作業用橋を渡って右岸を上がって行く。すると上流から釣師が2人下りてきた。釣果を問うと、坊主との事。手に握られた袋を見ると、なんと山葡萄がぎっしり詰まっている。何処で穫ったか訊ねると、丁寧に教えてくださった。

 帰りに穫る事にして、まずは奥へ向かう。



 通いなれているから二俣まで近い。直ぐにロープを結んで左俣大滝の巻きに掛かる。前回は簡単に感じた巻き上がりだったが、なぜか今回はかなり難しく感じられ、短く切って2ピッチ直上した後、右トラバースを3ピッチで左俣に入る。

 天気は上々!直ぐに釣りに掛かる。池野さんは餌釣り、僕はテンカラだ。


"待ちに待った釣りタイム。池野さん、頑張って!!"




 ここ魚野川源流部も台風9号による出水の影響は無かったわけではないらしく、ボサも枝も垂れ下がり、倒木も随所にあって意外にうるさい。

 池野さんは、はじめチョウチン仕掛けにも翻弄されていたが、次第に馴れてきたようだ。代わる代わる糸を垂らしながら遡行して行く。山女はいつものようにオブザーバーだ。


 東京を発って、忙しくここまで来たが、ようやく気持ちも落ち着き、また空腹感も顔を見せるようになった頃、お茶の時間とする。

 僕はお茶が入るまでの時間釣りあがってみると、直ぐに左から栃川高原から苗場に向かう登山道が横切る所へ出た。インターネットで得られた情報では、駆り払いがされておらず難儀したという記録があった。また前回来た時、栃川右岸に渡ったところにあるはずの登山道入り口には草が繁茂し、とても入っていける状態ではないことを見ていたが、今朝、そこが刈り払われていることを確認していた。だから、お茶が済んだら、この登山道を使って下降する事にした。

 御茶うけは、池野さんのお土産のブランデーケーキ。チョコの味も濃厚で、とても美味しい。コーヒーにピッタリなおやつだ。


"お茶うけはブランデーケーキ。峪中で頂くコーヒーとケーキに感謝!"




 お茶の後は、予定通り登山道を使って下山。

 栃川に下り着いたら、あらためて山葡萄を探しに上がって行く。言われたとおりの場所で山を見上げると・・あるある。他の広葉樹より一足先に紅葉が始まる山葡萄は見つけることはたやすく、鈴なりになった蔦から多くの山の幸をいただく事ができた。

 さて、テントを設営したら本日のメインイベントである露天風呂に行きましょう。


 すっかり日が暮れた中、ゆったり浸かる露天風呂もスーパー快適。

 そして夜の宴会。ルーデンスの菅さんのお土産の泡盛「於茂登」は雑味もなく、お湯わりにばっちり。ありがとうございました。

 少しだけキープした岩魚で刺身とカルパッチョと唐揚げ。デザートは山葡萄だ。楽しいひとときを過ごす事ができた。


"菅さんのお土産の泡盛「於茂登」と一緒に頂く食べ物全てが美味しい。山の幸に感謝。"




 翌朝は早起き。明け切らないうちから歩き出し、佐武流を目指す。魚野川本流を吊り橋で渡るとすぐに九十九折れの道に変わり、一気に高度を上げる。

 一汗かかせられた頃、ベンチに辿りつき一休み。ここからはほぼ水平につけられた立派な道を辿って佐武流出合いをめざす。


"一汗かかされた後、登山道は水平道に変わり快適。"




 佐武流川出合いの下流側に下り着き、遡行支度に替えながら朝食。その間、本流で毛針を振ってみた。2度、2匹の岩魚が僕の毛針を眺めにきたが咥えるまでにはいかなかった。

 食事を済ませ、佐武流に入る。今日も山女は目付け役。池野さんは餌、僕は毛針としたが、釣れない毛針はすぐに諦めてしまった・・。


"竿の扱いに馴れましたね。あそこに居そうです。そう、流れ出しのところです。"




 いつのまにか降り始めた雨は止む気配はなく、強まるばかり。体も冷えてきたことで、そろそろ納竿とする。

 池野さん、楽しい二日間、ありがとうございました。

 また、3シーズン目も何事もなく幕を閉じることができたことは山女のおかげです。本当にありがとうございました。


"平成19年度の納竿の儀も滞りなく終えることが出来た。池野さん、山女、そして自然に感謝!!"




 さて、草津の温泉に走る事にしましょう。


"草津温泉。湯畑に見入る美女二人。"




<天候>土曜:晴れ、日曜:曇りのち雨
<同行:池野明子さん、山女>
<釣行日:2007.09.29,30、記載:2007.10.10>