予報では雨。山女は身内の用があり、僕は日曜はバイクツーリング。もともと雨の日に釣りに興じることをモットーとしてきているはずだし、だから雨なんて一向に構わない。ただ、アプローチはバイクでこなしたいと考えているんだけど、流石に雨では気が重い。女房の傍らでいそいそと出かける準備をしながら、聞こえよがしに、雨の日にバイクのアプローチはちょっと辛いなー・・とつぶやくと、事故すると大変だし、車にしたら・・と気遣いの一言が・・。

　深夜到着した出会いの丘には大型トラックが休憩中で、他に車はいない。ラッキー！雨もまだ降り始めてはおらず、一杯飲んですぐに寝る。ここ、出会いの丘は静かだからか、あるいは一人だからか、前回もそうだったけど、直ぐに深い眠りに急降下。

　携帯アラームが起きろと叫ぶ。ぼんやり窓の外を眺めても、他には車が居ない。そろそろ起きなくてはと思いながらうとうとしていると、車外で話し声が・・。いつの間にか１台到着し、二人準備中。僕も起きて、用足しへ。戻って準備をしていると、一人の方が来られ、お互いに今日の都合を確認しあう。彼ら二人は豆焼沢とのこと。その方が言うには、出会いの丘入り口下のちょっとしたスペースに１台駐車していて、もう居ないから、滝川に入ったのだろうとのこと。どこから降りるつもりか、ちょっと気になる。

　空も白んできて、ヘッドランプもいらなくなって出発。前回では、林道奥へ車が１台入っていたから、こちらも気になる。とにかく鈴を振り鳴らしながら歩く歩く・・

　林道終点には幸い車が居なくて、少しほっとする。登山道に入ってから一人の先行者の足跡が明瞭になる。この足跡は雁坂峠への分岐より少し先で滝川に降りていっているのが落葉の乱れから読み取れ、確かに、その先、足跡が消えた。

　先週歩いたばかりのこの辿道は歩きやすく、暑くもなく寒くもない気温に助けられ、すぐに釣り橋下に到着。

　それまで気づかなかったが、谷中の白い石にぽつぽつ雨の跡がつき始めているのをこのときに知る。先行者も居ないし、こんな天気だしと、気持ちにゆとりが生まれ、ゆっくりとコーヒータイムだ。先週より緑が一層濃くなっている。この時点ではまだ、体温は高く、居心地のいい峪中に一人いることに幸せを感じる。

"居心地のいい峪中でゆっくりコーヒータイムを満喫"

　さて、準備もできたから釣り上ることにする。例によって渓は大きく、落ち込みからひらきにかけてもとても大きすぎて、困惑する。

　前回の金山沢のとき、いつも使っている６ｍ少しの竿を固着させてしまった。といっても、落差を越えるとき４、５段伸ばした状態で流水部に立掛け、一端上に上がりこみ、岩の上から竿先を持って引き上げようとしたときに縮めていた部分が流水部の中でするする伸びてしまい、その勢いで手元２本がきつく固着してしまった。
　収めきれなくなったものを釣りを終えて帰路に着くとき、きつく捩じたら、ねじりせん断の形でだめになった。まだ、パーツとしては供給されることは知っているが、チョウチン釣りをしてきていることから、１日の釣行のなかでの伸縮回数はとても多く、当然、傷もついているなど、そろそろ換え時であったかも。